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政治記者Xの備忘録

官邸、自民党、財務省などの記者クラブを経験。マスコミで書けないネタを書いていきます。

小池新党に自民都連が勝つための方法

このままいけば、都議選で自民党は大敗すること間違いなしです。

 

わたしは小池ブームはそう長続きするものではないと思っています。というのも、明確な成果を挙げられず、むしろ昨年の騒動の「コスト」が明らかになるからです。豊洲移転延期により、数十億円規模の公金が無駄になる、あるいは五輪施設の「費用節約」は結局のところ、「安物普請」にしたからだとか、神奈川や千葉など周辺自治体からの反撃などなど。

 

とはいえ、都議選までのあと半年くらいは持続する可能性が高い。小池都知事もそのことは十分に認識していて、いかにあと半年、対決を煽って、人気を維持していくかに腐心しているように見えます。

 

対する自民党都連。議会でヤジを飛ばす、大人気なく小池都知事と握手を拒むといった、「子供の対応」が目立ちます。多くの人が「都議会議員というのは、こんなに無能だったのか」と思ったかもしれません。長らく与党の座にあり、行政とも馴れ合いで、選挙も楽であったが故に、鍛えられていないのでしょう。卓越した危機管理能力を持つに至った自民党本部とはかなり違います。

 

では、こんなダメダメな自民党都連が小池新党の攻勢をはじき返すことはできるのか。このままではまず不可能なのですが、唯一、起死回生の方策があります。それは、議員報酬を自ら半減することです。自民党からで、大幅な議員報酬削減を提案する。これだけで、自民党都連に大きく有利に働くでしょう。

 

というのも、(わたしの専門分野である)マスメディアというのは、明確な証拠があって、わかりやすいものしか、書けないからです。「明確な証拠がないことばかり、適当に書き立てているではないか」と反論をいただきそうです。が、こと刑事事件に関わるようなことに関しては、書けません。

 

例えば、小池都知事が会見で評した「黒い頭のネズミがたくさんいる」という表現。では「黒い頭のネズミ」とは具体的に誰なのか。森喜朗元総理、内田元都連幹事長など、連想される人物はいるでしょう。が、どの工事でいくら懐に入れたのかという、明確な証拠はないので、メディアとしては固有名詞を書けません。訴えられれば、即、負けます。「黒い頭のネズミ」はあくまで推測にすぎないのです。実は何もなかった、ということも十分にありえます。昔から独裁者は「見えない恐怖」を煽るものですし。

 

ただ、明確に見えている証拠があります。それが高額の議員報酬です。他の都道府県の2倍近い報酬を得て、さらに議員が議会に出るという当たり前のことをするだけで、別途日当が発生する。誰にでもわかりやすい「利権」です。「東京都議が他の都道府県の議員の2倍近い報酬を得るのが当然」などという合理的な理由もありません。

 

高額報酬は明確な事実なので、メディアはいくらでも書けます。ただ、逆に言えば、高額報酬以外に都議会自民党を叩く具体的な事実はないわけです。豊洲移転でどの都議がいくら儲けたかを証明し、書き立てることは、仮にそのような事実があったとしても、不可能です。甘利元大臣のときのような「明確な証拠」が出てくることは、まずありません。

 

なので、自ら議員報酬半減を提案すれば、自民党都連は小池新党の攻撃材料のかなりの部分を封じることができる。とはいえ、そこは長年ぬるま湯に浸かってきた自民党都連。自分の懐に切り込むことは、なかなかできないでしょう。大阪で自民党大阪府連が、「身を切る改革」を維新の専売特許の売り文句にしてしまったことからも、明らかです。

 

ということで、「お坊っちゃま」自民党都連は逆転の機会があるにもかかわらず、「勝負師」小池都知事に翻弄されそうな雰囲気なのです。