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政治記者Xの備忘録

官邸、自民党、財務省などの記者クラブを経験。マスコミで書けないネタを書いていきます。

小池劇場が早くも閉幕した理由

小池劇場、思った以上に終わるのが早かった。さすがに年内に終わるとは思いませんでした。終わったと断言できるのは、今回の豊洲市場の対応です。あまりにも対応が下手すぎる。マスコミ操縦に長けていると思われた小池都知事が、結局、マスコミ操縦に失敗して、墓穴を掘ってしまった。

 

今回の措置で、現在の築地市場関係者への損失補填は月6億円とのことなので、トータルではおよそ100億円近くかかることになります。環状2号線は、わずか2週間のオリンピックのためだけに、地上に道路を作る。この2週間のためだとの道路工費も、数十億円かかるはず。これからメディアを通して、築地市場関係者の不平が、断続的に流れることになる。結局、この騒動は何だったのかということになるわけです。

 

で、支持率も下がり、小池新党を作ることもできず、小池政治塾もこのままフェードアウト。都議会選挙に立候補する気満々だった小池政治塾の参加者も、メディアを通して、不満をぶちまける。小池政治塾で集まった参加費の5万円×4000人分=約2億円は、結局、小池都知事とその周辺にいる都議会議員の政治資金になるだけなのかとなってしまう。

 

「小池都知事は小泉劇場を真似している」と言われることがあります。小泉元総理と同様、自民党に居ながら、自民党主流派と対決するのだと。けれど、こうした見解を言う人は、国会と地方議会の根本的な構造の違いを見ていない。

 

総理大臣は、国会議員の人事権を握っています。大臣、党の要職、そして党の公認。国会議員というのは、とにかく大臣になりたくて、なりたくて、仕方がない。それに公認を外されたら、議員の地位すら危うい。つまり総理は議員に対する武器を持っているので、世論さえ味方につけておけば、総理の武器を最大限に活かすことができる。

 

ところが、都知事には都議会議員に対して、何の武器も持っていません。武器を持とうとすれば、必然的に新党をつくり、反対勢力の議員を落選させるしかないわけです。が、小池都知事は新党結成の姿勢を見せない。わたしが「小池氏は改革に本気ではない」と思う所以です。

 

では、小池都知事はどうするべきだったのか。「都民のために、無駄遣いを削る」というテーマを大々的に掲げる。なので、五輪のためだけに、わざわざ地上に道路をつくることはしない。すでに環境に問題ないのは実質的には明らかなので、環境アセス云々という杓子定規なことは言わず、科学的に問題ないことを明らかにした上で、来年、最速で移転を済まし、出費を極力抑える。で、新党をつくって、都議会との対決姿勢を打ち出し続ける。これしかなかったと思うのですが。

 

小池劇場がこんなに早く終わることになった、理由。わたしは結局のところ、小池都知事はやりたいことがあるから都知事を目指したのではなく、都知事になること自体が目的だったからなのだと思います。そして、対抗候補がとてつもなくお粗末な人物ばかりなので、圧勝してしまった。

 

もし、本当に都政改革をしたかったのなら、小池新党を作るしかなかった。ところが、小池都知事も、側近とされた若狭勝氏も、自民党本部と全く決別できない。やりたいことがあるからではなく、自分の権勢維持が目的だからではないか。わたしにはそう思えてしまう。そして、そういう姿勢は当然、都民にも見透かされてしまう。

 

都議会議員が年収2000万超の異様な好待遇であることが、知られるようになりました。都議会改革は絶対に必要なだけに、小池劇場がこんなにあっさりと終焉を迎えたということは、都民として、本当に残念。