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政治記者Xの備忘録

官邸、自民党、財務省などの記者クラブを経験。マスコミで書けないネタを書いていきます。

選挙特番の元担当記者の私が打ち明ける、密かな選挙特番の楽しみ方

今日、各局の参院選特番が放送される。

 

選挙特番は局内でも担当者以外は知らないような、不思議な(?)風習が多くあります。ということで、まず公にされるとこはない選挙特番の特殊事情を、元担当記者のわたしが、打ち明けます。

 

その1:党首の出演順はじゃんけん(もしくはアミダくじ)

 

各局の代表者が集まり、各党首の出演順を公平にじゃんけんなどで決めます。今回の参院選は安倍首相の進退がかかったような、ドラマが起こりうる選挙では無いので、正直、出演順はかなりどーでもいい。 けれど、首相が辞任をするような選挙結果が見込まれるときは、出演順は各局の大きな関心事となります。というのも、自分の番組で第一声で「辞めます」と言わせたいので。視聴率にも跳ね返ります。

 

その2:スポンサーがつかない選挙特番

 

テレビ番組の最後で流れる「この番組の提供は、トヨタ、日立の提供でお送りしました」といった「提供読み」が、選挙特番ではありません。理由は単純で、政治番組のスポンサーになりたがるような企業は、ほとんどないから。どの党の支持者であっても、自社の製品を買ってもらいたいのが、企業の当然の論理です。なので、企業は政治色のあるものには近づかない。

 

一方、テレビ局にしても、選挙番組の内容にスポンサーの介入があるのも面倒なので、スポンサーがつかないのは、好都合なわけです。

 

その3:桁違いの制作費がかかる

 

収入はないのに、膨大な出費が伴うのが選挙特番です。事前の議席予測の費用だけで、億の桁の費用がかかる。全国各地を中継で結ぶため、出張費などの経費も膨大なものになる。さらに選挙特番はCGなど、最新テレビ放送技術の見本市の様相を呈します。なので、1日で生じるテレビ局の赤字額は、数億円といったところでしょうか。

 

その4:速報よりも企画勝負の参院選

 

参院議員は衆院よりも、有名議員が圧倒的に少ない。全国区の知名度があるのは、蓮舫氏など、ごくわずか。大抵は「日本医師会の組織代表」みたいな、地味な候補者です。なので、「あの大物議員がまさかの落選」といったドラマが生まれない。

 

ということで、製作側からみると、番組内容はニュースの速報性より、面白く見せるための切り口や企画性が重要になってきます。

 

また、いつ解散があるかわからない衆院選では、十分な製作準備期間が取れないので、企画も立てにくい。けれど、参院選は日程があらかじめわかっているので、企画も立てやすい。

 

企画勝負の色が強い、池上彰氏の選挙特番も、衆院選より、参院選の方が視聴率が高くなる傾向があります。

 

その5:NHKには選挙専従の職員がいる

 

民放であれば、選挙が近づくと、特番チームが組まれて、準備にあたります。が、膨大な予算を誇るNHKだと、選挙のことだけ毎日考えている、選挙担当職員が何人もいます。1年に1度あるかないかの国政選挙のために、専従職員を置く。選挙がない時期は何をしているのだろうと思うのですが、それが事実上の国営放送、NHKです。

 

ということで、少しでも選挙特番の楽しみ方の参考になれば、と。