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政治記者Xの備忘録

官邸、自民党、財務省などの記者クラブを経験。マスコミで書けないネタを書いていきます。

創業補助金と電通の「闇」

政治記者Xです。

真実は報道されないことのなかにある。

 このブログでは、大手メディアで掲載できない内容を書くつもりです。

 

さて、補助金の実態がずさん極まりないという。

 

中小企業振興はアベノミクス最大の目玉のひとつ。そのなかで創業補助金に、平成26年補正予算と平成27年度予算で、約60億円が計上されている。この補助金、所管は経済産業省傘下の中小企業庁(わたくし、政治記者Xも経産省記者クラブにかつて所属していました)。

 

ところが、実際の運営はすべて電通に丸投げされている。誰に補助金を支給するか、何に支給するか、採択された事業者の申請内容を認めるかどうか。すべて電通に丸投げされている。補助金の採択基準は公開されていない。つまり、60億円の税金の使い道が電通の裁量に大きく委ねられているということになる。「公」の業務の運営が、かなり電通に委ねられているという意味では、「パクリ疑惑」が問題になった、東京オリンピックのエンブレムの選考過程と同じ構図だ。

 

東京都など地方自治体も創業補助金を実施しているが、運営そのものを1事業者に丸投げしているのは、国以外に見当たらない。東京都の創業補助金だと、都の担当者が直接、管理している。

 

では電通に運営料として、いくら支払われているのか。受注額は公開されていない。非公開だが、類推は可能だ。平成26年度、27年度の場合、1事業者あたり最大200万円の補助金が、約2500件支給されている。補助金自体は最大で約50億円ということになる。補助金予算の総額が約60億円なので、約10億円が随意契約電通に運営費として流れていることになる。10億円の運営費で、2500件の採択。つまり、採択1件あたり、40万円の事務費用となる。起業希望者への支給は200万円、事務費用が40万円。どう考えても、安いとは言えないのではないか。

 

平成24、25、26年の創業補助金の運営は、いずれも一般競争入札ではなく、随意契約電通が受注している。この創業補助金電通の専門分野である広報やPRはほとんどされていない。電通が本業で、特別なノウハウがある分野ではないのだ。

 

ちなみに電通が長らく自民党の広報を一手に担ってきたのは、よく知られている。自民党国会議員の子女の入社も多い。現在の自民党広報副局長は、電通出身の国会議員。そして、電通は2年前には今回の補助金同様、中小企業庁管轄の情報サイト「ミラサポ」を50億円(!)の巨費で請け負っている。

 

さて、中小企業庁が丸投げし、電通が請け負う補助金事業。実は電通もほとんど丸投げしている。電通から補助金関連の事業を長く取り扱っている下請け企業に発注されている。実際の補助金受給者とのやりとりや審査を受け持っているのは、この下請け企業だ。いわゆる「中抜き」である。「中小企業」庁というくらいなのだから、電通のような大企業ではなく、中小企業支援として直接、この会社に発注しても良いようなものだが…。

 

形態だけではなく、その運営もお瑣末極まりないものだった。そのずさんな運営実態は、また次回。