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政治記者Xの備忘録

官邸、自民党、財務省などの記者クラブを経験。マスコミで書けないネタを書いていきます。

回顧2016年 左翼・リベラルがあまりに弱体化した理由

2016年の政治を振り返ると、左翼・リベラルと言われる勢力が、どうしようもないくらいに支持を失っていること、そして回復の見通しすらないことが、如実になった年だったと思います。

 

民進党の相変わらずの低支持率、左翼おじさんの「最後の祭り」だった感のあるシールズ騒動、鳥越俊太郎氏の完膚なきまでの敗戦、そして広がりを見せない反原発運動などなど。左翼・リベラル勢力の連戦連敗。しかも、いずれも圧倒的な負けっぷりを晒してしまった年でした。そして、この傾向は一過性のものではないということです。

 

「安部一強」とメディアではよく言われます。ですが、安部政権のミスは、実はかなり多い。対ロシア外交では何の成果もなかったですし、甘利大臣やパンツ大臣など問題を抱えた閣僚も少なからず存在していたし、国会進行も結構雑でした。にもかかわらず、安倍内閣の支持率は依然として高い。「安部一強」というよりも、「左翼・リベラルがあまりに弱すぎる」という表現の方が適切な気がします。

 

ではなぜ、左翼・リベラル勢力がここまで徹底的に支持を失っているのか。民進党朝日新聞やTBSといった左翼系マスコミ、それに大学教授などなど、その根本的な原因を全く理解していないように思えます。

 

左翼・リベラルが支持を失った理由。それは「言っていることが、あまりに嘘くさい」ということに尽きると思っています。いわゆる「フツーの国民」は過酷なまでの「リアル」に晒されています。はるか昔にに大企業であってもリストラは珍しくもなんともありません。年齢とともに給料が上がらないというのも、もはや当たり前になっています。

 

にもかかわらず、左翼・リベラルはそうした一般には当たり前となっている「リアル」を全く共有できていない人々が担っているわけです。

 

その代表例は私が身を持って知る業界、マスコミでしょう。朝日新聞NHK、TBSなどの年収は40歳で1500万円を軽く超えます。「出世頭」ではなく「平均」で、です。しかも、リストラも全くない世界です。大学教授も同じです。犯罪でも犯さない限り、地位を失うことはありません。あるいは、既に功なり、名を遂げた人々、あるいは生まれながらの金持ちばかりです。

 

つまり、絶対安全ゾーンから、「怒りの声」を叫んでいるわけです。全然、リアリティがない。

 

一方、安倍内閣の言っていることは、実は至極「リアル」な感覚に近い。「脅威である中国には警戒し、対策が必要ですよね」、「株価は高くないと、企業に不都合起きますよね」、「大抵の駅前にパチンコ屋が野放しな現状であれば、カジノで政府がコントロールした方が、まだマシでは」などなど。

 

守るべき資産や名声のない若い世代、つまり「リアル」に晒されてい若い世代ほど、安倍内閣支持率が高いという世論調査の結果は、その何よりの証左ではないでしょうか。

 

また、安倍内閣の高支持率と共産党の堅調さは、実はコインの裏表だと思っています。共産党の主張は、民進党と比べると一貫していますし、賛否はともかく、本音で言っていると感じられる主張が多い。民進党のあまりに嘘くさい、「本音と建て前は違うよね感」が伝わってくるものとは、正反対です。「リアル」な肌触りがあるという意味では、実は共産党安倍内閣に通じているわけです。

 

結局のところ、情報が溢れるネット社会、つまり建て前の通じない社会において、主張にリアリティのない存在は生き残れないということなのでしょう。

 

「リアルを感じられない」という病理は、実は裏側で長年自身の保身のための政治活動に打ち込んできたマスコミなど、左派・リベラルの当然の帰結だと、わたしは思っているわけです。

日露交渉で見た、安倍総理のマスコミ操縦巧者ぶり

政治記者Xです。

真実は報道されないことのなかにある。

 

ということで、壮大な期待外れに終わった、日露首脳会談。贔屓目に見ても、交渉上手のプーチン大統領に翻弄された、完敗でしょう。支持率がドンと下がっても不思議ではない失態。いわば安倍総理にとって、ピンチなわけです。この窮地で、安倍総理・官邸のマスコミ操縦の巧みさが出たと思っています。

 

日露首脳会談後、安倍総理はテレビ出演しまくっています。NHKのニュース、テレビ朝日報道ステーション、そしてフジテレビのMrサンデーと立て続けです。

 

まず、この番組選択が上手い。いずれも、厳しいツッコミがない番組ばかりです。テレ朝の報道ステーションは、普段は安倍総理批判がきついですが、安倍総理本人が出ると、途端に甘くなる。富川キャスターの地力がないので(もっというと地頭が良くなさそうというか…)、突っ込めない。

 

それと、テレビ全般に言えることですが、総理本人が出演するときは、ツッコミが甘くなるものなのです。総理出演前には、テレビ局の経営幹部がお出迎えして、ご挨拶します。役員達がにこやかに挨拶した流れの後で放送に入って、テレビ局という会社内では課長にもなっていないような「キャスター」が、厳しいツッコミをできるはずもないわけです。

 

もうひとつ、安倍官邸のマスコミ操縦が巧みだと思うのは、出演番組の全てが生放送です。生なので編集できない、上述の通りツッコミも甘いので、安倍総理の一方的な広報枠になる。そうなることをわかって、官邸は出演しているわけです。ピンチの時にマスコミを避けるのではなく、積極的に生出演する。上手いな、と思うわけです。

 

第一次安倍政権のとき、安倍官邸のマスコミ対策は最低レベルでした。NHKの岩田記者、産経新聞の阿比留記者という「超・側近記者」に偏りすぎた結果、側近以外のマスコミから総攻撃を浴びた。マスコミ操縦でも、第一次安倍政権の失敗から、かなり学んだように思えます。

 

それにしても、年金削減、カジノ法案強行、日露交渉の劣勢と、失点続きの安倍政権。にもかかわらず、全く追い風を受けることがない蓮舫民進党。何があっても「民主党よりはマシ」と有権者には思われるわけで、もはや存在自体が無意味を通り越して、安倍官邸を万年与党化させるだけ、日本の政治にとって害悪とも思えます。

 

今回の日露交渉で浮き彫りになったのは、安倍総理のマスコミ操縦の巧みさと蓮舫民進党の害悪ぶりだけだったと思っています。

 

都庁記者クラブが腐敗都政を見逃して来た理由

政治記者Xです。

真実は報道されないことのなかにある。

 

東京都の予算に「議会復活枠」なる議会の既得権が存在していることが報じられています。誰が聞いてもおかしいと思う予算が、ずっと以前から存在していた。にもかかわらず、これまで全く報じられることはあありませんでした。本来であれば、どこかの報道機関がとっくに報じても良さそうなものです。

 

都政の腐敗ともいうべき状況が報じられて来なかった理由は、大きく2つあると思っています。

 

ひとつは、都庁記者クラブがマスコミ本社から求められている性質です。新聞の都政面を見れば一目瞭然ですが、ほとんどがのどかな生活情報です。都政の情報は、これまでは関心が薄かったので、本社から求められて来なかった。

 

テレビはテレビで、新聞とは別の事情がありました。東京のテレビ局を通して、ニュースは全国に流れています。例えば、東京発の報道ステーションで都政特集をやったとして、地方の視聴者は関心を持つでしょうか。都政ばかり取りあげれば、地方のテレビ局から、東京のキー局に対し、苦情が入る可能性すらあります。

 

東京都知事青島幸男以降、有名人が勤めています。なので、都庁記者クラブの役割は有名人都知事の記者会見をちゃんとカバーし、ときどき東京の生活情報を抑えれば、よかった。それが、都庁記者クラブの実情だったのです。

 

もうひとつは、都庁記者クラブへの人員配置です。そういうのどかな空気の記者クラブなので、マスコミとしても、エース級の人材は配置しません。ちょっと能力に問題がある記者、あるいは産前産後休に入っている女性記者などなどが配されることが実に多い。なので、地道にコツコツと何かを調べて、報じるなんてことは、極めて稀なのです。

 

つまり、社からも求められていない。記者本人もやる気がない。あるいは、やれる能力がない。それが都庁記者クラブだったのです。

 

予算のたびに、記者クラブには予算の内訳などを記した資料が、都の広報担当から配布されます。「議会枠」があるなんてことは、秘密でもなんでもなく、予算資料を見れば、どんな記者でもわかります。にもかかわらず、全く報じられて来なかった。

 

まさにぬるま湯、規制に守られた既存メディアの怠慢というより他にないわけです。