読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

政治記者Xの備忘録

官邸、自民党、財務省などの記者クラブを経験。マスコミで書けないネタを書いていきます。

電通、テレビ局、五輪、本当の関係

政治記者Xです。

真実は報道されないことのなかにある。

 

 

ということで、電通、テレビ局、そしてオリンピック。本当は、どういう関係にあるのかを書きます。これは大手メディアはどこも書けないことですね。ネットのいいところです。

 

サッカーのW杯とか五輪が近づくと、テレビ局では編成部から現場の番組制作部門に「お達し」が来ます。「オリンピックを盛り上げる企画を放送するように」。これは五輪に限らず、古くは地上波のデジタル化など、「国策」あるいは「業界あげて」実現しようとする案件があるときには、必ずといっていいほど、お達しが来ます。つまり、否定的なことは、極めて言いづらいわけです。

 

電通に言われなくても、五輪はテレビ局自身も、多額の放映権料を払って、放送します。

 

つまり、テレビ局員は「ジャーナリスト」であるよりも、遥かに前に、「サラリーマン」ですから、オリンピックに否定的なことを言うのは凄まじい勇気が必要です。そんな会社員はいません。テレビ局は新卒から定年まで、入社した従業員の9割以上が終身雇用されるという企業体です。

 

なので、既存の大手メディアで根本的な五輪への疑問が起こるはずがありません。五輪の費用を大幅に削減する。あるいはそもそも、なぜ東京でオリンピックをやらなくてはいけないのか。そんな問いかけが、既存のメディア空間でなされるはずはないのです。

元番記者の私が見た、森喜朗さんが権力を極めた理由

政治記者Xです。

真実は報道されないことのなかにある。

 

 

ということで、わたし、昔、森喜朗さんの番記者していました。五輪組織委のトップに立つ前の、現役の大物国会議員時代です。

 

当時、番記者だった私にとって、不思議なことがありました。なぜ、この人は自民党幹事長、そして総理にまでなれたのか。後藤田正晴氏のように、頭のキレがすごいわけでもない。小泉純一郎氏みたいに、国民的人気があったわけではない。小渕恵三氏のように、人望があったわけでもない。梶山静六氏のように、度胸があるわけでもない。なぜなのか・・・。

 

そういう視点で、番記者として見てみると、なんとなくわかってきたのです。

 

森喜朗氏が、権力を極められた理由。まず、ひとつ目は宴会やパーティーなどの座持ちがすごく巧み。宴会での話芸というか。

 

番記者数名、国会議員数名と一緒に、森喜朗さんと料亭に行ったことがあります。とにかく、話が巧みで、面白い。「知的な面白い話」ではなく、単なる笑い話、宴会話が巧みなのです。こういう部下がいたら、営業での接待とか、とてつもなく楽だろうなと思わせるような、巧みさです。

 

もうひとつは、根回しの凄まじさ。政治家だから根回ししているというより、「天性の根回し師」とでも言うべき凄まじさです。その凄さは、森喜朗さんの自伝に、最も分かりやすく出ています。これほどの迷著を、番記者外れた途端に、番記者を外れた嬉しさのあまり、ブックオフに出したことは、自分の過ちです(苦笑)。

 

あなたに教えられ走り続けます

あなたに教えられ走り続けます

 

 

こちら、政治記者の中でも知る人ぞ知る迷著、森喜朗さんの自伝「あなたに教えられ走り続けます」。タイトルも、森さんの強みをストレートに表すような、気配りに満ちたタイトルですね。

 

この本で、森喜朗さんの天性を表している、最も印象的なエピソードがあります。森喜朗さんが小学生時代の話です。

 

小学校の野球大会で、森少年たちのクラスが負けてしまった。森少年が考えた理由が、「他のクラスに凄い球を投げる生徒がいたから」。普通の小学生であれば、「クラスのみんなで練習して、来年は勝てるようになろう」でしょう。スポ根ドラマの世界です。

 

ところが、天才・森少年はそんなありきたりの発想はしません。「そうだ、権力もっている先生に根回しして、あのすごい投手だけ、クラス替えで来てもらおう」。そして、森少年は先生に働きかけ、次の野球大会で優勝してしまうのです。これが、根回しの天才でなくて、何でしょう。到底、そこらの政治家やビジネスパーソンでは敵わない、天性の根回し力なのです。

 

この迷著には、他にも縁故で産経新聞に入社したと思わせるような記述など、森喜朗さんの強みがわかるエピソードが目白押しです。この本、もう一度言いますが、実際に自分で書いたかどうかは置いておいて、自伝です。

 

森喜朗さんの強みである、宴会話芸に、根回し力。これって、古き良き、日本企業社会で必要とされた能力の、最たるものではないでしょうか。それだけでは、人口減少に突入している日本社会では、もはや生き残れないのは明らかでしょう。

 

小池都知事が、森喜朗さんの天才的根回し力に打ち勝つには、徹底的に正論を振りかざし、無謀覚悟で徹底抗戦、つまり、小池新党結成するしかなかったと思います。が、わたしのみるところ、小池都知事は妙に打算的というか、常識的なところがある。だから、巨大与党・自民党と決別できない。そして、小池派区議会議員は「自民党に戻りたい」と自民党都連に泣きついているというニュースもありました。

 

小泉純一郎氏のように、常識はずれの正面突破じゃないと、根回しの鬼、森喜朗さんには到底勝てない。やはり、小池劇場の閉幕は想像以上に早かったと言わざるを得ないのです。

馴れ合い構造のなか、NHK受信料は増えるだけ

政治記者Xです。

真実は報道されないことのなかにある。

 

NHK籾井会長の提案したNHK受信料の値下げ提案が、経営委員会に否決されたとのこと。籾井会長のNHK会長としての資質はともかく、NHK受信料、今後もまともに下がることはないと断言できます。それは、マスコミと政治の馴れ合い構造に理由があります。

 

NHK受信料の使われ方というのは、実にひどい。経費の使い方がずさんなマスコミの人間が見ても、ひどい(苦笑)。どうひどいかというと、使いたい放題。無駄を省くという発想はゼロと言っていい。

 

例えば、NHKの記者は若手であっても、ハイヤーはほぼ使いたい放題。NHKのなかには、「解説委員」という名の、新聞を読みに出勤しているおじさんが山ほどいる。

 

NHKの隠れ給与もすごい。NHK職員の平均年収は1200万円超。リストラ無しの公共的な機関で、だ。これだけでも凄いのだが、さらに隠れ給与がある。民間給与ではありえないほどの福利厚生だ。給与で支給するとさすがに批判が起こるので、額面に出ない福利厚生で支給しているのである。

 

例えば、NHKの建物内には職員専用の病院がある。あの広大な渋谷の社屋のワンフロアが丸々、職員専用病院なのだ。「診察室」などというレベルではない。「総合病院」と言えるほどだ。NHKの社食も凄い。ちゃんとした職人が握る寿司が500円程度で提供されている。職員限定で、安価な物品販売もある。まさに受信料にょる「放送貴族」だ。

 

NHKの予算は役所に近い。つまり、使い切りなのだ。受信料を余らせても、NHKにとっては何のメリットもない。なので、何が何でも使い切ろうとする。

 

NHKの予算は国会承認事項。国会議員NHKの予算を監視すべきなのですが、事実上、全く機能していない。NHKと政治家は完全に馴れ合いとも言える関係だからです。

 

NHK自民党の関係は言うに及ばず。政治部記者がNHKの尖兵として、議員に食い込んでいる。野党にしても、民進党にはNHK労組出身議員がずらり。

 

加えて、政治家が最も恐れるマスコミは実は週刊文春ではなく、NHKなのです。というのも、週刊文春や民放、全国紙は多くの政治家の選挙区である地方では、大して読まれていません。ところが、NHKが映らない地方はない。NHKに敵視された議員は、生存すら危ういのだ。

 

NHK自身に削減意欲が湧くことはない。削減を促すべき政治家も機能しない。受信料が下がる余地はないのだ。こうして、事実上の税金とも言える受信料は、野放図に増えていく。